原則憲章

社会的連帯経済グローバルカリキュラムに向けたキャンペーンの原則憲章

  1. 社会的連帯経済グローバルカリキュラムの提案は、教育と社会的連帯経済の国際ネットワークの団体のうちいくつかから生まれ、その後大陸間社会的連帯経済推進ネットワーク(RIPESS)、協同組合運動と連帯経済の研究者・教育者全国ネットワーク(Redcoop)、ブラジル連帯経済フォーラム、社会運動民衆大学(UPMS)やカナダ社会的連帯経済ネットワークなど、さまざまなネットワークが参加するようになった。
  2. 社会的連帯経済グローバルカリキュラムに向けたキャンペーンが疑問を呈す相手は支配的な資本主義経済体制であり、それが対峙する思考の実践では経済活動が報酬を受ける活動と想定され、経済的なものとして認定される唯一の財やサービスの生産活動が貨幣経済における取引や購買力を含むものとなっている。これによりあらゆる取引を単なる商取引関係へと矮小する市場経済や、利益を全て物質的および個人的利益へと矮小化する市場社会を、当然視している。
  3. 社会的連帯経済グローバルカリキュラムに向けたキャンペーンの参照点は世界社会フォーラムであり、2001年にその第1回が開催された同フォーラムでは、新自由主義的な政策に対抗する情景が紹介され、もう一つの世界は可能であるというスローガンに向けた闘争が促進されている。
  4. 社会的連帯経済グローバルカリキュラムに向けたキャンペーンは、植民地支配からの解放を行う多文化的な教育を計画する。民衆教育の基盤を取り戻し、知識、人文学的科学や、各地で普及している都市および農村の伝統的な知恵の多様性の間で対話を推進する。
  5. 当キャンペーンは、全世界レベルでもう一つの可能な世界の構築を推進しているさまざまな提案を尊重し、持続可能な社会経済的開発という目的を共有し、当キャンペーンが誕生した枠組みで議論を行う、これら世界的な取り組みを補足することを望む。
  6. 社会的連帯経済グローバルカリキュラムに向けたキャンペーンは、経済発展の支配的なモデルを変更することによってのみ人類が、アジェンダ2030の導入や、われわれが希求する平和の達成(持続可能な開発目標16)および気候変動により引き起こされる損害の軽減(持続可能な開発目標13)の達成が実現可能であることを確認する。持続可能で連帯に基づいた社会の新モデルが実現できる持続可能な開発目標は主に、1「あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせる」、2「飢餓を終わらせ、食料安全保障及び栄養改善を実現し、持続可能な農業を促進する」、3「あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する」、5「あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する」、7「すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する」、8「すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する」および12「持続可能な生産消費形態を確保する」である。
  7. 全ての持続可能な開発目標や世界の目標の実施のための基盤は、質の高い教育(持続可能な開発目標4)であり、これは生涯にわたって公式または非公式の形で発展し、生産や消費における収奪的かつ持続不可能な現在の経済モデルへの批判を促進(持続可能な開発目標12)する一方で、このモデルに対する代替案を表現する行動を推進および強化する。
  8. 同時に、包摂的で平等かつ良質で、生涯にわたって学習の機会を推進する(持続可能な開発目標4)は、社会的連帯経済という別の経済が可能であることを強化し推進する場合に、まさに存在することとなる。
  9. 良質の教育は、公的教育機関の教育計画を超えるカリキュラムにより実施され、全てとして社会の中で策定される民衆教育のプロセスを含む。
  10. 社会的連帯経済グローバルカリキュラムは、世界中の知識体系全てが科学であり、農民である先住民ネーションの知恵が、独自の認識論または理論的枠組みを持つ内因性の科学であり、すなわち知識やその論理、理論的要素、枠組み、知識論や存在論が整理される形態が異なることを意味していることを認識する。
  11. 社会的連帯経済グローバルカリキュラムは、存在する文化および風習の多様性に対処し、地域内で存在する異なるニーズに適した持続可能な社会経済的および実践的原則の中心に根差した市民団体、社会運動、先住民地域社会、学校および大学により実践される実践と、理論との統合を提唱する。社会的連帯経済グローバルカリキュラムは、農薬なしで生産を行い、健全で責任のある食糧生産に加え、大地、生態系一般そして特に気候変動の問題を尊重して自然との絆を生む、食糧主権の世界における何千もの事例において存在している。
  12. 社会的連帯経済グローバルカリキュラムは、物質的・精神的貧困の撲滅が可能な、公平かつ平等な経済という連帯プロセスの基盤を据える。生活の柱としての教育から、倫理的な消費の実践や、成果の平等な分配を伴う共有された民主的意思決定を通じて労働を運営する方法に根差した学習を保証する。
  13. 社会的連帯経済グローバルカリキュラムは、再生可能なエネルギーの知識を推進し、経済の中心におけるジェンダーの平等や、経済的脱成長に基づいた都市および地域社会の発展を評価する。
  14. 社会運動や地域社会を取り込むことで社会的連帯経済グローバルカリキュラムの提案は、世界規模で社会面および環境面において害悪を引き起こす経済モデルを克服すべく教育活動が行われる全大陸において、各国の重要な取り組みへの長い道のりを歩んでいる。これら取り組みの多くは、「グローバルカリキュラム」(2010~2012年)プロジェクト、欧州7か国の団体やブラジル・ベナンの専門家コンサルタントにより策定された「世界授業の教師」プロジェクト(2013年および2015年)、そして市民権とグローバル持続可能性の原則に導かれた欧州スカウト運動の若いリーダーたちの運動のように、グローバル市民権に向けた教育の文脈でユネスコにより認定および支援されている。
  15. 社会的連帯経済グローバルカリキュラムに向けたキャンペーンは、社会的連帯経済に向けた教育における公共政策の議論のための交流プロセスを推進および視覚化すべく責任を引き受ける、さまざまな国の教育者、研究者および活動家による多様な調整により導入される。
  16. 社会的連帯経済グローバルカリキュラムに向けたキャンペーンは、世界中において正式な、または非正式な文脈で行われている社会的連帯経済の教育のグローバルイニシアチブマップや、社会的連帯経済における研修の計画やプログラム、そして社会運動、地域社会や市民社会団体、政府機関、大学や学校により世界中の国々で作成された教材や教育ツールへのアクセスを可能とするポータルサイトの作成のために、意欲や資源を動員することを求める。
  17. 社会的連帯経済グローバルカリキュラムに向けたキャンペーンは、社会的連帯経済に向けた教育における公共政策の推進を模索する。

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